Gear Ver.1.10


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(3D的表示をするためには、D3ZMulti Ver.2.17以降が必要です)

●概要
 機構学における数組の歯車を順次噛み合わせて回転数を増減させる歯車列の動作をシミュレートする。
 このプログラムでは、1つの原車(初めに動く歯車)を持つ平歯車列の運動をアニメーションで表示する。
 マウス操作により歯車の歯数および位置を変更して、歯車を噛み合わせたり、同じ軸を持つ歯車同士を固着することにより歯車列を作成する。
 歯車は平歯車のみであるが、外歯車の他に内歯車を作成できる。また、回転しない固定車も1個以内で作成できる。
 差動にすることはできないが、遊星歯車は可能である。
 その他、歯車の軌跡を描かせることにより、ハイポサイクロイドやエピサイクロイドなどやスピログラフを描くことも可能である。

●動作環境
 Microsoft Windows 95/98/Me、Windows 2000
 Microsoft Visual C++ 6ランタイムが必要

●インストールと実行
 展開してできたファイルを適当なフォルダにコピーして .EXE ファイルを実行。

●アンインストール
 展開してできたファイルの他に、起動時のフォルダにできた .INI ファイルを削除する。レジストリは操作していない。

●操作方法
1.歯車の作成
・[編集]メニュー[追加]コマンド指定後、左クリック、ドラッグで歯車を作成。
・ 歯車を左クリックして選択後、[編集]メニュー[属性]コマンドで属性を設定。
2.歯車の噛み合わせ
・ 歯車を左クリックして選択後、ドラッグして歯車の大きさ・位置を変更、または、矢印キーで位置を移動させて噛み合わせる。
・ 歯車を左クリックして選択後、[編集]メニュー[固着追加]コマンドで、同軸の固着歯車を作成。
3.歯車の回転
・[回転]メニュー[設定]コマンドで、原車や回転速度などを設定。ただし、原車が固定車の場合は、公転速度を設定。
・[回転]メニュー[開始]コマンドおよび[停止]コマンドで回転開始、停止。
4.表示
・[表示]メニュー[歯車]コマンドまたは[円板]コマンドで歯車の表示を切り替える。どちらも表示しないようにもできる。
・[表示]メニュー[軌跡]コマンドで歯車の属性ダイアログで[軌跡]をチェックした歯車の軌跡の表示/非表示を切り替える。
・[表示]メニュー[腕]コマンドで歯車の属性ダイアログの[腕]で属性を指定した腕の表示/非表示を切り替える。
5.ヒント
・歯車を噛み合わせにくいときは、[表示]メニュー[円板]コマンドで、円板で表示させて噛み合わせるとよい。
 また、矢印キーにより微少移動が可能である。
・内歯車を不透明にするとマスクに時間がかかるため(擬似)半透明にした方が早い。色のANDをとることによって擬似半透明にしている。
 ただし、外歯車は半透明にしない方が早い。
・表示間隔、歯数、回転速度の設定によっては、歯車の回転が変な動きに見えることがある。
・1個の歯車に2個以上の歯車を噛み合わせようとするとき、歯車の位置によっては噛み合わせられないことがある。
・噛み合わせ許容誤差を大きくすると、実際には噛み合わない離れた歯車を噛み合わせたことにできる。

●制約事項
・原車は1個のみ。差動不可。固定車は1個以内。
・固定車の周りを回る可動歯車は全て同じ公転速度(可動歯車間の相対位置は変わらない)。
・ハイカラー(3万色)以上。作業用ウィンドウを2〜4つ使用する。
・ウィンドウの大きさを変更すると、描かれていた軌跡を消去する。
・歯車はzを無視して、[歯車の選択]や[回転オプション]ダイアログのリストに現れる順に描画される。
 [編集]メニュー[最前面へ移動]コマンドは擬似的に移動して表示している。
 [編集]メニュー[奥行き再整列]コマンドで最背面から噛み合わせにしたがって,整列させる。(個別に設定した位置も更新される)
 それらにより,腕の表示も変わるので注意。

●歯車列の速比を求めるアルゴリズム
 一般的な機構学のテキストにあるように、次のようにして求めている。
1.原車から順に辿って各歯車の速比を求める。
2.固定車がある場合は、公転速度は固定車の速度より求める。また、固定車の速度を0とするために、各歯車の速度から固定車の速度を引く。
3.原車の速度が指定された値になるように、各歯車に同一の係数をかける。

・1つのヘッダーと複数の歯車データからなる空白文字で区切られたテキストファイル。標準の拡張子は".GEA"。
・Ver.1.3以前
 ・ヘッダー
  "Gear"、バージョン番号
  モジュール、回転速度、停止時刻、原車番号
 ・各歯車データ
  歯車番号、歯数、中心位置x、y、回転角、マーカ係数、
  噛み合い歯車番号、固着歯車番号1、固着歯車番号2、
  内歯車フラグ、固定フラグ、軌跡フラグ、内歯車の場合の形状係数(Ver1.3以降)、色の各RGB値
・Ver.1.4以降
 ・ヘッダー
  "Gear"、バージョン番号
  モジュール、回転速度、停止時刻、原車番号
  噛み合わせ許容誤差(Ver. 1.5以降)
 ・各歯車データ
  歯車番号、歯数、中心位置x、y、z(Ver.1.8以降)
  回転角、マーカ係数、
  噛み合い歯車の数、歯車番号...、
  固着歯車の数、歯車番号...、
  内歯車フラグ、固定フラグ、軌跡フラグ、内歯車の場合の形状係数、色の各RGB値
 (これ以降はVer.1.8以降のみ)
  歯厚、軸半径、軸長1、軸長2、軸の色RGB値
 (これ以降はVer.1.10以降のみ)
 ・'+'(セパレータ)
 ・各腕のデータ
  'A'、歯車番号、歯車番号、幅、厚み、z補正、サイドフラグ、色の各RGB値
・歯車番号は1以上で、0は未接続を表す。
・バージョンの新しいプログラムは古いデータファイルも読み込み可能。逆は不可。
 ただし、DOS用のデータファイルは読み込めない。

●デモデータファイル
・GEAR4.GEA
 4つの歯車の組み合わせ例。右側の原車と一番左の従車との速比は1/3。
 Ver.1.3以前で3つの歯車を順に噛み合わせたいときは、中央に同じ歯数の固着歯車を置く。
・PLANET.GEA
 中央の太陽歯車のまわりを公転する遊星歯車の例。
 この例では、太陽歯車と公転の速比は1/10。
・CLOCKGR.GEA
 時計の分針と時針の関係を示す例。
 右側の小歯車と大歯車の速比は1/12で、それらは同軸上にある。
・HYPCYCL.GEA、HYPTROCH.GEA、HYPCYCL2.GEA
 ハイポサイクロイド(内はい線)とハイポトロコイド(内余はい線)の例。
 固定内歯車と外歯車を組み合わせてその軌跡を描かせる。
 マーカ係数が1のときはハイポサイクロイド、1以外のときはハイポトロコイド。
・EPICYCL.GEA、EPITROCH.GEA、EPICYCL2.GEA
 エピサイクロイド(外はい線)とエピトロコイド(外余はい線)の例。
 固定外歯車と外歯車を組み合わせてその軌跡を描かせる。
 マーカ係数が1のときはエピサイクロイド、1以外のときはエピトロコイド。
・INTERNAL.GEA (Ver.1.4以降)
 1個の固定外歯車と噛み合う3個の内歯車。
・LOOP.GEA
 速比が矛盾せず、噛み合わせなどの条件を満たせば、使い道はともかく閉ループも可能。
・INTER3Z.GEA (Ver.1.8以降)
 INTERNAL.GEAに奥行き方向の情報等の追加。

●履歴
 Ver.1.0 95/04 Win 3.1用に DOS から移植
   97/06 Win 95用に再コンパイル(32ビット化)
 Ver.1.1 97/08 表示変更、トラッカー追加
 Ver.1.2 99/06 歯車といってもただの円だったので歯車らしい表示にした
     噛み合い時などに音を出すようにした
 Ver.1.3 99/07 内歯車の個数制限をなくした。歯車列データファイル変更
 Ver.1.4 99/07 噛み合わせ歯車等の個数制限をなくした。歯車列データファイル変更
     コマンド追加
 Ver.1.5 99/09 噛み合わせ許容誤差の指定
 Ver.1.6 00/03 複数回Undo, Redo
 Ver.1.7 00/05 歯車一覧表示情報の追加
 Ver.1.7 00/05 歯車一覧表示情報の追加
 Ver.1.8 01/07 D3ZMultiで3D表示するために奥行き方向の情報等の追加
 Ver.1.9 02/11 エラー表示,保存時の奥行き検査などを変更
 Ver.1.10 14/11 腕の追加



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